ていうかそろそろ教えて欲しいんだけど、顧客って誰のことよ?

  • 2010.05.10 Monday
  • 14:55


前回のエントリーに対してとても貴重なアドヴァイスと激励を頂戴したので、そこを立脚点にして進んでみよう。以下、AKIRAさんよりのコメント引用です。


「劇団にとって俳優(あるいはスタッフ)は顧客であるか」ということは、サービス業におけるマーケティングの考え方の中で、すでに示されています。

企業・顧客・サービスエンカウンター(顧客に接する接客要員)をそれぞれを頂点とする三角形とすると、企業・顧客の関係は「エクスターナルマーケティング」、顧客・サービスエンカウンターの関係は「インタラクティブマーケティング」、そして、企業・サービスエンカウンターの関係は「インターナルマーケティング」としてとらえられています。

つまり、サービスエンカウンターとは、劇団のスタッフ(劇団にとって外部のスタッフであってもサービスの提供側なので、「外」ではなく「内」)や俳優さんということだと思うのです。

ですから、劇団は、インターナルマーケティングとして、サービスエンカウンター(俳優&スタッフ)の技術向上と満足度向上に努めなければならないということだと思うのです。



これはかなり説得力のある整理の仕方だ。企業とサービスエンカウンターを合わせたものが僕の言葉でいうところの「上演者サイド」だと考えると、それらの関係性がかなりすっきりする(そもそも「サービスエンカウンター」という言葉自体を初めて知ったのです。こういうことがあるからブログで書くことは止められない。一緒に考えていただいたことに尽きせぬ感謝を)。


単に劇団の内/外という区別ではなく、接客の最前線に立つ/立たない、という区別をつけることは現実に即した考え方だと感じる。このことを踏まえて、改めて舞台創作における顧客と「上演者サイド」について整理してみよう。


劇団は少なくとも二種類の顧客と二種類のサービスエンカウンターを持つ。

顧客1)いわゆる観客席に座る『お客様』
顧客2)地方方公共団体や文化庁、あるいは私企業・海外の演劇関係者など、支援・助成・主催団体
サービスエンカウンター1)俳優
サービスエンカウンター2)舞美・音響・照明・制作などの外部スタッフ

俳優はちょっと変わったサービス主体だと言えるのかもしれない。レストランで言えば俳優とは、直接的に観客に触れるウエイターであると同時に、厨房にこもって熱心に料理の味を研究する料理長でもある、という立場だ。

いうなれば俳優は一人一人が自分の店舗を持つ小料理屋のおかみみたいなスタンスを保持したまま、多くの料理人がひしめくホテルの厨房に入って仕事をするようなものだ。

当然ながら複数の俳優は複数の異なる欲求を持ち、それは刻々と変化を続ける。だから劇団の方向性というものは固定的なものではありえないのだ。

よって劇団におけるトップマネジメントの仕事は本来多方向に進むべき個々の「料理人」の欲求・価値・現実に対して、ある種の方向づけをしてやることではないだろうか。


ところで、二種類の顧客のうちで僕がより重要だと感じるのは、もちろん観客席に座っている「お客様」の方だ。目の前にいる観客にとって価値のない舞台には、残念ながら価値がない。作品そのものは素晴らしいのに観客に見る目がない、という状況も現実には起こりうるだろうが、それを前提にしてしまってはいつでも自分たちの成果はぼやけたままになってしまう。

最終的な舞台の成果というものは、今日、その会場に来た観客と何が生み出せたのか? ということのみに集約される。というわけで「お客様」以上に重要な顧客は存在しない。



ここまでで「顧客とは誰か?」という問いについてはある程度の整理が出来た。本当に整理しただけだけど。修正のためにここに立ち返る日もあるだろうが、そろそろ次の問いに進んでさらにその先にある問題について考えてみよう。

問題というのは他でもない「われわれの事業は何か? 何であるべきか?」という問いである。
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